葡萄水 1

宮沢賢治

 宮沢賢治の短編に 「葡萄水」 というのがあります
 耕平が ヤマブドウを採ってきて ぶどう酒を造るという話です
  http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1940_9672.html
耕平は今夜も赤く光って、熱ってフウフウ息をつきながら、だまって立って見てゐます。
おかみさんは赤漆塗りの鉢の上に笊を置いて、桶の中から半分潰れた葡萄の粒を、両手に掬って、お握りを作るやうな工合にしぼりはじめました。
まっ黒な果汁は、見る見る鉢にたまります。
耕平はじっとしばらく見てゐましたが、いきなり高く叫びました。
「ぢゃ、今年ぁ、こいつさ砂糖入れるべな。」
「罰金取らへらんすぢゃ。」
「うんにゃ。税務署に見っけらへれば、罰金取らへる。見っけらへなぃば、すっこすっこど葡ん萄酒呑む。」
「なじょして蔵して置ぐあんす。」
「うん。砂糖入れで、すぐに今夜、瓶さ詰めでしむべぢゃ。そして落しの中さ置ぐべすさ。瓶、去年なのな、あったたぢゃな。」 
これを読めば ぶどう酒の造りかたが よくわかります

 下は 「葡萄水」 の初期形です
 主人公は 清作となっています
 http://why.kenji.ne.jp/shiryo/ikou/004budousui.html
 初期形のほうが 記述が詳しいようです